海外移住したい。ワーホリに行きたい。
今は英語はできないけど、海外に行けば英語力はつくだろう。
もしかして、そう思っていませんか?
勢いだけで海外に行く前に、ご自分の英語力の見直しを。勉強せずにいくと、滞在先で苦労するかもしれません。
今回は海外に行くなら、事前の英語学習はどれだけ重要か。どんな英語力をつけておけばいいのか。
当サイトのライター陣4人にお話を伺いました。メンバーはこちら!
オーストラリアの小学校を卒業。国際・言語系の大学出身。マレーシア移住中のRubyさん(@Alcoholic_ruby)
シドニーで住み込みベビーシッターをしながら、ワーホリ真っ最中のBellaさん(@bellabella8383)
日本で英語を2年間勉強し、ネイティブと会話できる英語力を手に入れたNanakoさん(@ika75ika) イギリス、ギリシャ、オーストリア、スコットランドに2週間滞在経験あり。
日本人とイギリス人のハーフであり、新卒でマレーシアへ就職と移住をしたArisaさん(@arisawilliams)
海外経験豊富で、英語が話せる彼女たち。
英語学習の重要性や、どんな英語力が必要なのか赤裸々にトークをしてもらいます!
マレーシア移住中のRubyにインタビュー
海外に行くなら英語力はあって損はない
ーーバイリンガルであり、マレーシア移住中のRubyさんから「英語学習の大切さ」についてお話を伺えればと思います。
海外に行きたい人の中に「海外にいけば英語力は身につく」と考えてる方もいると思うのですが、事前に勉強をして英語力を身につけておくのは必要でしょうか?
英語力はあって損はないと思います。
英語は言語です。数学や古典と違い、どんどん変化していくので勉強に終わりはありません。海外で英語を使って生活したいなら、一生勉強するスタンスでいないと、ついていけなくなるでしょう。
ですが「英語を話せる人」と「英語を話せない人」で人生は大きく変わってきます。今後、英語が話せるのは当たり前の時代になっていくと思います。
ーー実際に海外で過ごすとしたら、どのくらいの英語力があれば理想的ででしょうか?
テストの勉強ができるよりも、「伝える力」を身につける方が大切だと感じます。
もちろん英語が書ける、読める力も必要ですが、日本人は読み書きができるのに話せない人が多すぎます。
きっと完璧を求めていたり、間違えるのが恥ずかしい気持ちがあるのでしょう。ですが、私よりTOEICの点数が高い人はたくさんいますが、話せない人ばかりです。単語さえ言えれば、意思疎通は問題なくできますよ!
ーーでは、のような英語学習をしておくべきでしょうか?
海外で使える「生きた英語」を取得するには、机に向かっていても意味はありません。「実際に使う」を意識してほしいです。
例えば、映画のセリフを聞いて、真似して話したり。耳で聞いて、口から出す。インプットとアウトプットの両方ができるといいですね。
アメリカイギリス英語はOK でもニュージーランド英語が聞きとれない
ーー英語が堪能なRubyさん。英語ができず、海外で大変だった経験はあるのでしょうか?
もちろん、あります。
話せない、読めないで困るというより、聞きとれずに凹んだ経験があります。「英語」と一口にいっても、色々な種類があるんです。
アメリカ英語、イギリス英語は小さい頃から耳にしていたので聞きとれますが、ニュージーランドに初めていった時、ニュージーランド英語がまったく聞きとれませんでした。
英語圏によっても発音、イントネーション、使う単語が違うので、奥が深いですよね。もし英語圏に行くなら、現地の英語に慣れておくといいと思います。
ーー反対に英語ができてよかったこと、楽しかったことはありましたか?
やっぱり、様々な国の友人ができたことですね。
具体的にあげると、アメリカ、アイルランド、アラブ、イギリス、インド、タイ、韓国、オーストラリア、ギリシャ、フィリピン、ブラジルなど。色々な国に友人がいます。
中には、アメリカで出会った、フランス語を話すアフリカ人がいたりして「どこの国だっけ?」という人もいます(笑)
ーー最後に海外に行きたい方へ、応援メッセージをお願いします!
海外にいけばイヤでも成長するので、不安でも怖くても、前進してほしいです。
いつか乗り越えてきたことすべてが経験になり、自信に変わる時がきます。意外と何とかなります(笑)
限りある時間、やりたいことに正直に挑戦してみてほしいです。
オーストラリアワーホリ中のBellaにインタビュー
英語の勉強をせずワーホリに行った後悔
ーーメルボルンから始まり、現在はシドニーでオーペアとして働きながらワーホリを過ごしているBellaさんに英語学習について質問させてください。
ワーホリに行ってみて、海外へ行く前の英語学習は必須だと感じられましたか?
絶対に必要だと思いました。
「英語の勉強はしておくべき」という記事を山ほど読んだのにも関わらず、結局勉強しないでワーホリにきてしまい、苦労しました。過去の自分に対して、声を大にして言いたいですね。
英語力があれば、到着した時点から有利になります。語学学校に行く場合は、先生や生徒とのコミュニケーションがとれるだけで環境への溶け込みが早くなり、英語の上達にも役立ちます。
実際にメルボルンの語学学校に通ってみて、最初にどれだけ仲良くなれるかで、学校生活の充実度が変わってくると感じました。
また、どの英語のクラスに入るかも大切です。ある程度話せる子たちが集まるクラスの方が、英語上達は早いに決まってますよね。
ーーどのくらいの英語力があればよかったと感じましたか?
「中学英語をスラスラ言える、聞きとれるくらいの英語力」があればよかったなと感じました。
間違えなく生活には困らないと思います。文章を読めなくても、単語を書けなくても大丈夫。「話す」「聞く」がすべてなんです。
日本人にありがちですが、義務教育で読むこと・書くことを学んだせいか、私達は話すここと聞くことが本当に苦手ですよね。
簡単な会話でも、いざ外国人を目の前にすると聞きとれなかったり、単語が出てこなかったり。なので、日本にいるときから、外国人慣れをしておくといいと思います。
ーー確かに、勉強はできるけどいざ英語を話そうとすると、出てこないものですよね。
そうなんです(泣)
今はたくさんのアプリがあるので、ぜひアプリを活用してみてください。おすすめはミートアップ」やランゲージエクスチェンジに参加することです。外国人の友達も増やせちゃうかもしれません!
また、オーストラリアの人は、英語を話せない人に優しいです。ワーホリや語学留学で、英語を話せない人たちを受け入れているからでしょう。
正しい英語を話す必要はありません。身振り手振りで一生懸命話すのが大切!
インターネット上で簡単にコミュニティーを運営できるサービスのこと。地域、趣味、興味によってコミュニティーを運営し、セミナーやイベントを開催または参加できる。中には日本人と外国人が交流できるコミュニティーもある >meet upのサイトはこちら
言語交換ができる場のこと。日本語を学びたい外国人に日本語を教えながら、外国人から英語を学び、お互いの言語を学びあうことができる。
ーーワーホリ経験者の立場から、海外に行く前にどのような英語学習をしておくべきか教えてください。
経験上「簡単な文法」と「単語」があれは問題なく生活できると思います。やはり中学英語です。
英語の覚え方のコツは、覚えた単語の反対語も一緒に覚えることです。反対語も一緒に覚えることで、語彙力が増えます。
例えば、
like(好き)の反対は?
strong(強い)の反対は?
delicious(美味しい)の反対は?
反対語、わかりますか? 意外と知らないですよね。私もオーストラリアに来るまで知りませんでした(笑)
スモールトークが大切 でも、それが難しい
ーーオーストラリリアを満喫しているように見えますが、英語ができずに海外で大変だったエピソードは何かありますか?
初対面の人と出会った際、軽い自己紹介をしますよね。英語では「スモールトーク」と言いますが、ワーホリ当初はこれが大変でした。
例えば、日本のどこ出身ですか? 日本ではどんな仕事をしていましたか? なんでオーストラリアに来たの?
学校初日から先生に尋ねられましたが、答えられず、とっても恥ずかしかったです……。
せめて、自分のことくらいは具体的に紹介できるといいかなと思います。 スモールトークでは話すことはだいたい決まっているので、定型文を覚えてしまえば楽です。家族のことや趣味についても話せるといいと思います。
ーー反対に英語ができてよかったこと、楽しかったことはありましたか?
海外の友人ができたのは、本当に私の財産です。語学学校を卒業した今でも連絡をとりあい、よく会います。
何より、みんな「日本が好き」と言ってくれるので「日本に行くから案内してね!」という会話ができるのが最高に嬉しいです。
出会った国とは違う国で再会できるって、素敵なことだと思います。
ーー最後に海外に行きたい方へのメッセージをお願いします!
仕事を辞めてオーストラリアにきていない人生なんて想像できないほど、ワーホリにきてよかったなと心から思います。
でも、日本から出るのって勇気が入りますよね。学校のこと、仕事のこと、お金のこと、家族のこと。色々な悩みがあると思います。
いざ、オーストラリアに来てびっくりしました。日本人、結構います。
留学したからワーホリしたから、絶対に英語を話せなくちゃいけないなんてルールはありません。嫌になったら逃げ出したっていいんです。将来のことなんて考える暇があったら、飛行機のチケットをとる方がいい。
まずは自分で決断して、たった1人で海外に降り立った気分を味わってほしいです。そして海外で生活した人にしか見えない景色を、ぜひ見てほしいです。
ネイティブと会話できる英語力を獲得したNanakoにインタビュー
英語ができると情報を取りこみやすくなる
ーー日本の英会話スクールに2年通い、ネイディブとも会話ができるようになったNanakoさんに英語学習について質問させてください。海外に行きたいなら、事前の英語学習は必須だと思いますか?
必須だと思います。
海外に行くだけで英語を話せるようになる人は、ごく一部ではないでしょうか。英語力がないまま海外に行くのも行動的でいいのですが、積極的に使う(話す、聞く)姿勢がないと身につかないですよね。日本で英語を学ぶ時にも同じことです。
英語が使えるだけで、海外旅行への苦手意識が激減します。海外の友人が増えたり、自分の可能性が広がるのもいいですよね。
また、世界の情報で日本語訳されているのは、わずか1割と言われています。英語ができるようになると、9割の情報を得られるメリットにもなります。
ーーイギリス、ギリシャ、オーストリア、スコットランドをめぐる2週間の海外旅行の経験があるとのことですが、海外に行く場合、どのくらいの英語力があれば理想的でしょうか?
目的によって変わると思います。
海外旅行で使いたいなら、空港でのやりとり、お店でのやりとり、緊急時のやりとりなど、場面別の英語を覚えるだけで問題ないですよ!海外で生活する場合は、もっと幅広い形の英語を学んでおくといいと思います。
ーー海外に行く前、どのような英語学習をしておくべきでしょうか?
書くのは二の次。まずは「聞く、読む、喋る」の3つを鍛えるのがオススメです!
英語ができず機内食が食べられなかった
ーー現在はネイティブともコミュニケーションができるくらいの英語力をお持ちですが、英語ができずに大変だったエピソードは何かありますか?
機内食が食べられませんでした(笑)
初めて乗った国際線で、キャビンアテンダントさんに食べる機内食の種類を聞かれた時。聞きとれずとっさに「No,Thank you」と言ってしまったんです……。
その他だと、他人が話してる中、萎縮して話せず悲しい思いをした経験は何度もあります。
ーー英語ができてよかったこと、楽しかったことはありましたか?
初海外旅行では、日常会話ができただけで相当嬉しかったです。
あとは旅先で出会った人と友人になれたり、海外の動画や文献を読めるのもメリットだと感じています。
ーー最後に海外に行きたい方へのメッセージをお願いします
迷ってるなら行きましょう!
人生は限られています。やりたいならやりましょう。旅は良いものですよ~。
新卒でマレーシアへ就職と移住をしたArisaさんにインタビュー
英語力があれば現地人と対等になれる
ーー新卒でマレーシアへ行った勇気あるArisaさんに、英語学習についてお聞きしたいです。海外に行くなら、英語の勉強はどのくらい必須だと思われますか?
ある程度は必須だと思います。話をできる内容の幅も広がるし、色々な人と仲良くなれます。
私の経験だと、英語圏で現地の人と同じくらい英語が話せれば、その場限りの関係ではなく、その後も付き合いが続くことが多いです。
逆に英語圏以外で出会った人で、お互いに満足に意思疎通ができないと、友人として再会するケースは少ないように思います。
ーー「ある程度」とのことですが、具体的にどのくらいの英語力があれば理想的ですか?
自分の思っていることを伝えられれば、問題ないと思います。
英語圏には文化的に「自己主張する環境」があるので、相手の言っていることを聞きとれるのも大切ですが、やはり自分の意見や主張を言えないと周りの人から興味を持ってもらえません。
具体的に必要なのは、聞きとるスキル、文法、発音。発音は悪くても、自分の言いたいことを伝える意思がある状態が理想的だと思います。
ーーー海外に行く前、どのような英語学習をしておくのが理想的でしょうか?
聞きとるスキル、文法、発音も大切ですが、覚える単語を増やしてほしいです。
きちんとした文章を少ない数言えるよりも、語彙力があったほうが圧倒的にコミュニケーションの幅が広がるからです。あとは、英語圏で今流行っているドラマや映画を観て英語を学ぶと、同時に流行もキャッチできるので会話にも役立つと思います。
英語が話せてもスラングや若者言葉には頭を悩ませる
ーー英語ができずに、海外で大変だったエピソードは何かありますか?
ネイティブの子たちと話す際に出てくる、スラングにはついていけないですね。あとは、テレビで流行のフレーズや、辞書に載っていない若者言葉も。
くり返し使われているのを聞いて、意味を理解できても、正しく使えないと恥ずかしい思いもするので(笑)
こればっかりは英語を話す環境に身を置いて慣れていくしかないので、大変ですね。
ーーー反対に英語ができてよかったこと、楽しかったエピソードを聞かせてください!
どこで誰に出会っても、最低限のコミュニケーションはとることができる。職探しの際に有利になることでしょうか。
もっと日常的な部分だと、英語のドラマや映画を理解できたり、英語の歌を本気で歌ったりできますね(笑)
ーーー最後に海外に行きたい方へのメッセージをお願いします。
海外に出てみると、日本では当たり前だったことが当たり前じゃないと良くも悪くも実感します。
働き方や職場での人間関係、出かけたり遊んだりする場所の違い、男女の恋愛の違いなど。挙げていけばキリがないです。
今まで「日本に住んでいて幸せだな〜」と思っていても、もしかしたら海外に出てみればもっと幸せになれるかもしれません。可能性は広がっています。
海外に出るためには、完璧な英語は必要ありません!ぜひ勇気をもって最初の一歩を踏み出してみてください。
いかに勉強ができるかではない 日常生活で使える英語を学ぼう
今回お話をうかがった、4人の海外経験者たち。それぞれの経験を聞けた、貴重なインタビューとなりました。
肝心な問題、ワーホリをする、海外移住する、留学する場合。英語学習はどのくらい必要なのか。どんな勉強をすればいいのでしょうか。
4人とも口を揃えて「海外に行くなら、英語の勉強は必要」との回答でした。勢いで海外に行けばどうにかなる……わけではないようです。
驚いたのが、英語をスムーズに話せる方でも、海外で苦労した経験があること。旅行なら最低限のフレーズさえ覚えていれば何とかなるはずですが、海外で長期間暮らす、現地人との交流をするとなれば別問題。
英語力がないまま挑んだら、どうなるでしょう。現地でアタフタしている様子が、容易く想像できますよね。
勉強の度合いについては、読み書きよりも、自分の意見を言える、または聞きとれるスキルをつけること。そして、英単語を覚えて語彙力を高めつつ「中学英語を問題なく使えるくらいの英語力」を身につけること。
話を伺いながら、机にむかうばかりではなく、生身の人間相手に使える「生きた英語」が必要なのだと感じました。
もし海外に行くご予定があるなら、出発までの間、ぜひ英語に触れてみてください。
皆さん、ご協力ありがとうございました!