人生を変える旅ってしたことありますか?
大げさかもしれないのですが、これから読んでいただく内容は、私にとってそんな旅でした。
それは旅の内容だけではなく、前後の決断もふくめてのことです。私はこの旅に行くため、次の職が決まらないまま9年弱つとめた会社を退職して、退職金は全額旅行につぎ込みました。
我ながら後先考えずに良い決断をしたものだ、過去の自分を褒めてあげたい。なぜなら素晴らしい体験、出会い、失敗、学びがあったからです。
旅の合計日数は17日、訪問したのはヨーロッパのイギリス・ギリシャ・オーストリア・スコットランド(※スコットランドもイギリスですが記載)
どうぞ、回想の旅にお付き合いください。
日本語禁止の英会話スクールの語学旅行!
私が「海外旅行にいく」と決めたきっかけは、通っていた英会話スクールの先生が実施していた海外研修にいきたかったから。
私の通っていた英会話教室のトップは、ブラジル人の女性の先生。名前はメアリー。
メアリーは自身が英語を学び、英語で友達を作り世界中を飛びまわるすばらしさを知り、生徒にも体感させ世界を広げたい、大きな夢を持ってほしいとの想いから、生徒を海外に連れていく海外研修というサービスをしていた。
私は、海外研修が決まる前、メアリーから海外の話を聞くたびに「行きたい行きたいー!」と伝えていたので、誘っていただくことができた(日頃から、ダメ元でやりたいことをやりたいという大事さよ)
金額は旅費+現地での食事+英会話受講料などすべて合わせて、50万円という破格。そのほか、事前に準備した使い捨ての下着、服、持ち物、当日のお小遣い、カード支払い分などを含めると、総計合計60万円強。
(ちなみに8年半務めた会社の退職金が約70万円。赤裸々に公開する。笑)
旅の目的は「語学学習」と「海外に行く経験を得る」こと、といえば体がいいのですが、とにかく海外に行ってみたかった。しかしこの海外研修、語学研修ですから、参加にはルールがあった。
それが、「旅行中一切日本語禁止」(メアリーとの会話も英語)
英会話は勉強したものの、正直自分には自信がなく、どれくらい喋られるか分からない。けれども行きたくてしかたない。
不安と固定概念を持ちながらも、えいやと国際便に乗り込んだ。
香港経由でロンドンへ!初めての海外は生まれたての気持ちに
新千歳空港(札幌住まいのため)からイギリスへの直行便がないため、香港経由でロンドンにむかった。
新千歳空港から香港まで、フライトは5時間半。新千歳から沖縄まで行くときより、1時間多いくらいなのかと知った。
「海外はとにかく遠い」と思っているのが思い込みだったのかと、とにかく自分の世間知らずさに驚くスタート。
ちなみに前回の記事『英語を話せるようになりたいあなたへ カタコトから2年間でネイティブと自由にトークが出来るようになったコツと勉強法』で、機内食をうっかり断ったこと件は、新千歳⇒香港便での出来事。みなさまは頑張って、機内食をゲットしてね!
香港に到着したときの、衝撃たるや!
空港は冷静にみると日本の空港同じような仕組みなのですが、食べ物の香り、看板の文字、耳から入る言葉、空気感がすべて知らないもので、それがこんなにも新鮮で刺激的なのかと、感激した。
「私は、私は、海外にいるのだー!」
その思いで、胸が一杯になってしまっていた。
この時すでに既に会社やめていて「旅に出てよかった」という思いが頭をめぐる。
初めて、イオンモールに行った3歳児は、きっとこんな気持ちなんだろうとアホなことを考えつつ、香港24時発~6時着のロンドン行きの飛行機にのりこんだ。
6時間で着くなんて、イギリスは意外と近いのだな。世界は近いのだなと意気揚々としていたのですが、寝ても寝てもイギリスにつかない。
寝て起きても時刻は同じで、「私おかしくなっちゃったのかな?」と勘違いしたのですが、9時間の時差を忘れていた。実際の移動時間は、16時間かかるフライトだった。
アホなので旅が実際より9時間長く楽しめるような気がして、嬉しくなったのを覚えている。
イギリスに到着 本場のアフタヌーンティーを堪能
イギリスに到着し、16時間座り続けたおしりをいたわりつつまわりを見渡すと、疲れも吹っ飛ぶくらいおもしろい光景が目にはいります。
おしゃれなカフェ、おしゃれな人々、日本から出たことがない田舎育ちは、不思議な色をしたジュースバーや、メニューが英語であることに感動した。
空港にはメアリーの娘で、現地に住んでいるスズちゃんが迎えにきてくれた。
街の中心部は古くて美しい建物が並んでいて、その道を赤い二階建てバスがたくさん走っていました。
少し裏道に入ると出店のようにお花屋さんや、ナッツを売る人、新聞を売る人など大変賑わっている。ロンドンは活気があって、世界中の人が集まり、皆が共通に英語を使っている。
「英語を使うとかっこいい」と思っていた自分が恥ずかしいくらいに、一歩外にでたら共通言語として普通に使われているのだと知った。
バスの中ではガッチリ体形の紳士が、私が英語の勉強中だと知ると、読みかけの新聞をくれた。
スズちゃんがアフタヌーンティーをご馳走してくれることになり、本場イギリスでのティータイムを楽しんだ。
「これぞ英国でございます」と言わんばかりの3段になっているお皿には、スコーンや不思議なケーキ、大きなティーポットにたっぷり入った紅茶、窓からはロンドンの街並み、屋根が一望できる。
見ているだけで満たされる光景だった。
場所はポートレートレストラン。
食事のおかわりは出来ない代わりに(ティータイムは食事のおかわりが主流らしい)、素晴らしいサービスが比較的安価で楽しめとのこと。
フランクに1時間程度、ティータイムを楽しみたい場合はぴったり。
そこで三人で楽しく英語で今あとの予定、観光したい場所をシェアしたのですが、これがまた実践になると喋られない自分にびっくり。
「美味しい」を「delicious」なんて言わないのか。「Good」、「I love it」、「tasty」といった言葉を感情たっぷりに使っている。
あ、現地になると、こんなにも思い通りに英語喋れないのか! そう気付き固まってしまった私に、メアリーからアドバイスが。
「3歳の気持ちで喋りなさい、やりたいこと、気持ちが伝わればOK。とにかくシンプルにね」
こうして3歳児の気持ちで旅が始まった。
<ポートレートレストランの情報>
【店名】Portrait
【住所】National Portrait Gallery, St. Martin’s Pl, Charing Cross, London WC2N 5DN イギリス
【営業時間】10:00〜18:00
【公式サイト】https://www.npg.org.uk/visit/shop-eat-drink/restaurant.php
念願のギリシャへ 古代ギリシャを感じるアクロポリスで素敵な出会いも
イギリスで3日ほど滞在し、スーツケースをスズちゃんに預け、バックパッカーになりギリシャへ向かう。
私が最も行きたかった国が、ギリシャ!(研修先は選べないため、今回ギリシャに行けたのはなんと偶然)
ロンドンからアテネまでは、4時間ほどのフライトでさらりと到着した。
首都アテネには夕方到着し、ホテルの屋上から一望できる真っ白で粉っぽい壁で出来た街並み。
アテネはギリシャの首都。大帝国として栄えた、古代ギリシャ文明の中心都市だった
▲洗濯物もなぜか真っ白。
ほかの色はないのかとツッコミを入れたくなるような風景ですが、
「これが私の見たかった風景だ」
「私はここにこれてよかった」
と、心から感動した。
少し目線をあげると、アクロポリスにあるパルテノン神殿が見えた。
すぐさまに準備し、神殿に向かった。
アクロポリスに向かう途中の市街地では、英語とギリシャ語が混在しており、どこでも道で歌ったり楽器を弾いている人がいて、笑い声もたくさん。
お土産の売り子さんはマイクを使って、セールスとは全く関係なさそうなパフォーマンスをしていて、人の心をつかんでいた。
住民たちはゆったりと過ごし、広場のオブジェを囲むように恋人同士で座りあい、愛を語っているようだ。
経済破綻をしているはずなのに、悲壮感などこの場では一切感じさせない。食材もふんだんに販売されており、路面にはナッツ、オリーブ、果物、肉がつり下がっていた。
果物の中で「ザクロ」がとっても美味しかったので、購入しホテルで早速食べてほしい。
古代ギリシアのポリス(都市国家)のシンボルとなった小高い丘のこと。アクロポリスは「高いところ、城市」を意味する。この丘の中にパルテノン神殿があり、そのほかにはプロピュライア(神域の入り口の門)、エレクテイオン、アテナ・ニケ神殿がある
少し進むと、そこら中に遺跡がある。
道中で、2人のアジア人旅行客とすれ違った。アクロポリスの帰りのようだが、様子がおかしい。
友達を作る天才のメアリーが話しかけると、なんとアクロポリスはすでに閉館しているとの情報をゲットした。
そのまま予定を変更し、友達になった2人とディナーに向かった。
ギリシャの料理は本当に美味しい。
ギリシャ料理で絶対に食べてほしいものが、ギリシャサラダとヨーグルトだ。
ギリシャサラダは、トマト、キュウリなどの生野菜の上に、ドンと素のままのフェタチーズ(ヤギの乳で出来たチーズ)が乗っている。
その上に新鮮なハーブとオリーブオイルがかかっており、フェタチーズを少しずつ崩しながら、チーズの塩分で野菜を共に頂くという素晴らしい料理だ。
はじめ見たときは豆腐かと思ったのだが、地中海の味をシンプルに味わい尽くすことができる。
また、ギリシャは資源が多く、美味しいものが多いのか、食事は600円~2000円で1メニューが注文できる。500mlの水は約25円で購入できた。
しかし、食材は本当に新鮮で、シンプルな味付けで食べやすい。
ふんだんにオリーブオイルが使用されており、こってりしているのに胃もたれも一切しない。
食にこだわる旅行客には嬉しいのではないだろうか。
▲現地で友人になったシャオとジャーハン
2人と再会を約束し、翌日はアクロポリスを観光した。
アクロポリスとはギリシャ語でアクロ「先っぽ・高い」ポリス「都市」という意味があり、言葉の通り高台の上にある美しい都市だったのだろうと推測できる。
チケットを買うとき、あとろに並んでいた老夫婦に日本から来た話をしたら、飴をくれた。老夫婦の引退あとの人生の予定を聞きつつ、遺跡を見て、どうやって作ったのだろうか。
この発想、美しい造形を、長年残してくれた世界に感謝した。
神話を読んで、夢にまでみたパルテノン神殿を目の前にし、言葉を失った。
なんと壮大な姿、繊細で大きな建造物。
あふれ出る力強さに圧倒され、さらに後ろをむいた時に一望できるアテネの街並みに息を飲む。
戦争中、爆薬庫として使用されていた歴史もある。
そのときに負った傷と補修の跡でまだらになっているのも、また古代とは違う歴史を感じ胸があつくなる。
こればっかりは、直接みていただきたいと強く願う。
午後からは、突如予定を変更し、バスツアーでポセイドンの神殿に向かった。
スーニオ岬の崖にそびえたっており、エーゲ海を見下ろすことができる場所に神殿は有った。
少し手を伸ばせば神殿に触れそうなところまで近づくことができる。
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