サバイディー! ルビーです(@Alcoholic_ruby)
象使いの資格がとれるって知っていましたか?
しかも、1日あればとれちゃう国家資格なんです。
でも、甘く見ていてはいけません。このページをみて、覚悟をしておいた方がいいかもしれません。
ここでは、申し込み方法から象使いの資格取得までの流れをお伝えします!
象使いって何? 資格取得ができるのはラオス ルアンパバーンのみ
象使いの資格とは、象を乗りこなせる認定資格のことです。
面白いですよね!
日本にいたら一生使うことはなく、履歴書に書いたら「ふざけているのか」とその場で説教されるかもしれない、実用性のない資格です。笑
でも、動物好きな私からすれば、最高の資格。取得する以外の選択肢はありません!
東南アジアで象に乗れるところは多いですが、象使いの資格取得ができる国は、私が調べたところラオス ルアンパパーンのみ!
現地で申し込むと破格の値段で予約可能
申し込み方法は、大きく分けて2つあります。
- インターネット予約する
- 現地で予約する
インターネット予約は、価格が高め。クオリティは現地で予約するのと、大差ないでしょう。なので、節約したいなら、勇気を出して現地予約をおすすめします。
ラオスの街には、たくさんのツアー会社があります。日本人スタッフがいるHISもあるので、どうしても英語に自信がない方はHISで申し込んでもいいかもしれません。ちなみに、HISもローカルと比べると割高になります。
ツアーにはいくつか種類があり、1日のものから、1泊まり込みのツアーもあります。だいたい、洞窟めぐりやクアンシーの滝、近くの村を散策できるツアーと組み合わせて申し込むのが一般的。
理由は「象使いになりたい人が少ないから」だそう。
金額もピンキリです。
私が申し込んだのは、洞窟めぐりと象使いの資格取得がセットになったツアー。現地ツアー会社で3200円程度でした。いっぽう、インターネット予約から予約する場合は日帰りでも10000円以上することも。
予約方法はとっても簡単。ツアー会社のスタッフに「象使いになりたい」と伝えると、ぴったりのプランを案内してくれます。
ツアー当日、ホテルまでバンが迎えにきてくれますよ!
いざ象使いの資格取得ツアーへ!
バンに揺られ、むかうのはジャングルの中。
1時間から2時間、道なき道を進んでいきます。揺れ具合はまさに、ジャングルクルーズ。あの有名なテーマソングが頭に流れます。
しかし、考えてみてください。目的地に着くまで、連続で50回ほどジャングルクルーズに乗せれれる気分を。
とてつもなく酔います。酔い止め必須です。
さて、そんな中到着したのが、ジャングルのど真ん中にある象の保護施設。そこでは象を飼育しているのでなく、自由に暮らす象にエサを与えてしつけています。
なので、檻はなく、気分の乗らない子はどこかへ行ってしまいます。笑
感動したのが、しつけに使用する道具を一切使わず、トウモロコシやバナナをあげて、象に交渉していること。現地の象使いが、動かない象のお尻を「進め進め」とペシペシとひたすら叩いていました。
そんな上下関係のない、象と人間が対等の世界でした。
おやつをあげて背中に乗せてもらったり、一緒に川で水浴びをしたり。子供の象は、泥を掘ったり投げてきたり。
絶対に動物園では見れない、自由にびのびと暮らす象の姿。
その光景を目の当たりにして「こんな世界もあるんだ」と、自分の視野の狭さを実感。
午前の部 象使いの資格取得の前に観光を楽しむ
午前はほかの観光客と一緒に、ラオス観光を楽しみます。
まず、ジャングルのど真ん中に降ろされ、象におやつをあげました。もちろん柵なんてものはありません。
鼻を伸ばし私の顔を触って確かめたり、スマホをとられそうになったり。私たちも象と同等の立場で触れあいます。
むしろ、下に見られているような?
その後は、ボートに乗り近くの洞窟へ。
▲舗装されていない洞窟にいき、何千もの仏像が納められている光景をみました。
観光地感は少なく、正直ちょっと不気味かも……笑
▲だって、洞窟までの足場が崩れ、沈みかけているのですから。
ちなみに、洞窟に大量の仏像が納められてい理由はわかっていないんだとか。興味深いですね。
午後の部から、いよいよ象使いの資格取得開始!
本格的にレッスンがはじまります。
午後の部 象使いの資格取得のレッスンスタート
ランチをいただき、午後から本格的に講習が開始します。
ほかの観光客はみんな帰ってしまい、レッスンを受けるのは私ひとりだけでした。笑
寂しいですが、そこはポジティブに!
先生と私とワンツーマン授業。贅沢なことです。
レッスン1 象に通じる言葉を覚える
はじめのレッスンでは「象にも通じる言葉」を覚えるところからスタート。
覚える言葉は「進め、座れ」といった象に指示する言葉。発音を注意されながら覚えていきます。
▲年季の入ったホワイトボード
覚えてきたら、小テストをうけます。合格をもらえたらやっと象に乗れるのですが「テスト」といっても筆記ではなく、口頭で質問に答えるだけ。
記憶力のいい人は簡単にできますよ!
レッスン2 実際に象に乗ってみる
小テストに合格したら、いざ象の背中へ!
乗る前に先生から、
お前は泳ぎは得意か? 得意じゃないなら、これを着とけ
と、ライフジャケットを渡されました。
「これから象に乗るだけなのに?」と疑問に思いましたが、とりあえず受けとりました。このライフジャケットがあとあと役に立つなど、この時は知るよしもなく……
そして、いざ象に乗るわけですが、象の高さは3メートル。
一体どうやって乗ればいいのでしょうか。乗馬のように引っかける場所はありません。
象のスムーズな乗り方は、2つの方法があります。
1つめは高い脚立にあがり、立ち上がっている象の背中に乗る方法。2つ目は、前のめりになっている象の身体を、よじ登る方法です。これが意外と難しい。
身長が低いと、本当に大変です。象のヒザを踏み台にして、耳をひっぱりまくりながら、やっと背中に乗りました。
正式には背中というより、首の後ろのくぼみ?
象に乗ると、けっこう高いんです。もう私のテンションも高まってくる!
レッスン3 象に指示を出してみる
象の背中に乗れたあとは、象に指示を出す訓練です。
レッスン1で覚えた「象に通じる言葉」を使って指示を出します。
進め!
……
座れ!
……
こんな大きな耳があるのに、聞く耳を持たない! 見事にフルシカトされ、焦る私。
先生いわく、この子達は野生の象なので基本言うことは聞かないんだとか。
何のためのテスト!!!
こんな一方通行なやり取りを繰り広げていましたが、なんとか合格しました。
しかし、ここで象使いの試験は終わりではありません。
最終試験だ! 川へ行くぞ!
川?! もしかしてメコン川!?
レッスン4 最終試験は象と川下りを
最終試験はなんと、象と川下りです。
川といっても、あの「茶色いメコン川」をくだります。
メコン川とは、東南アジアで最長の河川。中国からベトナムまで流れる、アジア全体で「7番目に長い川」と言われています。
全長は400km以上あるとか。
▲メコン川。この色です。
とある旅番組では「汚い、死んだ川」とも呼ばれていました。飲んだら食中毒、目に入ったら失明するのでは……?!
そんな中、最終試験のため、象にまたがり川にむかう私。
そこで、感動的なことが起こりました。
象には捕まるところがないので、どうしても落ちそうになります。そんな時、象が落ちないよう耳をたたんで、私の両脚をしっかり挟んでくれたのです。
まったく言うことを聞いてくれなかったのに、私と象の間に絆を感じた瞬間でした。
さて、メコン川に到着。意外と深いんです。象はどんどん川の真ん中へ進んでいきます。
そこで、先生が象になにか指示を出しました。
指示を聞いた象は、いきなり二足に! まるで馬の威嚇のようなポーズ!
当然、私は転げ落ちてパニック!
象に落とされたんですけど!
象に登るんだ! これが試験だ!
この試験に何の意味があるのは不明ですが、言われた通りに象によじ登ります。
しかし、地面がない川。けり上げることも、踏ん張ることもできず、先生に笑われつつ助けてもらいながら、ふたたび象に登ります。
登ったのもつかの間。象はまた立ち上がり、私はメコン川へダイブ。これをくり返されること4〜5回。
メコン川で溺れて死ぬのなんて、まっぴらごめん。私もバカではないので転げ落ちないよう、象の首にしがみつきます。
でも、象の方が一枚上手でした。
鼻だけ水面に出し、私ごと沈みます。溺れる私をみて、心なしか象も楽しそう。さっきの絆はなんだったのしょうか。笑
でも、厳しいだけではありません。
転げ落ちて登れずに苦戦していたら、私が登りやすいようにヒザをまげて、段差を作ってくれたのです。厳しくもあり、優しくもある象。
一枚といわず、二枚も三枚も上手な象に完敗するのでした……。
厳しいレッスン終了 象使いの国家資格をゲット
心も体もズタボロになりながら、なんとか合格!
初めて象をみたときは少し恐怖もありましたが、レッスンが終わるころには可愛くて仕方がありませんでした。
最後に、象と記念写真をとって終了。
ビショビショのままバンに乗って町へ帰り、象使いの免許証を発行してもらいます。
溺れ死ななくてよかった。言うまでもなく、バッパーについたら速攻シャワー室へ。
象使いの国家資格に使い道はない?! でも一生の思い出になる
あとあと調べてみると「国家資格」と聞いていたのに正式なものではないようです。使い道はないみたいです。
本当に国家資格だったとしても、使い道はありませんが。笑
でも、本当に貴重な体験ができました。何ヶ国も旅をしましたが、象使いのツアーは間違いなくBEST5に入る一生の思い出になりました。
気ままに生きる象達。お金稼ぎのために象を使っていても、縛りつけることなく、象と人間が対等な立場でいられる環境。全世界の動物園でも、こうあってほしいなと思います。
過酷な体験ではありますが、人生観が大きく変わるので皆さんもぜひトライしてみてください。
あ、ちなみに象の国家資格に使い道があった際は、気をつけてください。象は車両扱いになるので、その辺にとめていると駐車違反になるそうですよ。
ツアーガイドのみなさん、象たち、ありがとう。また会いに行くね!